ホンダ・NSR(エヌエスアール)は本田技研工業が製造していたレーサーレプリカに分類される、2ストロークエンジンを搭載したオートバイのシリーズである。「New Sprinter Racing」の頭文字をとって車名とした。
NSRシリーズの最初のモデルは、1986年のNSR250Rであった。その後、公道走行用の車種とレース専用車として、排気量別に数車種ずつが製造されていた。
NSR50・NSR80は共に1987年発売された。当時スズキより発売されたGAGが開拓し、ヤマハがYSR50で追従したミニ・レーサーレプリカというジャンルが脚光を浴びていたが、GAGやYSRはあくまで外見だけレーシングマシンの縮小版というパロディ指向であった。
しかしNSR50は本物のマイクロ・レーサーを目指し、走りの面でも妥協を許さずレーサー・NSR500の車体を3/4のサイズダウンモデルとして発売された。
そのサイズから俗に関東ではNチビ関西ではエヌゴと呼ばれる。ライバルとして位置づけられたのはヤマハYSR50(後にTZM50R)であり、NSR50は各地で行われていた50ccレース(ミニバイクレース)でその性能を発揮した。
NSR80は50のボアアップ版であり、公道を30km/hの制限なく合法的に走ることができるためのモデルといえる。
こちらは俗にNッパチもしくはNはちとも呼ばれる。
NSR50については現在も行われている50ccレース用に根強い要望があることから、レース専用車両のNSR Miniとして販売が続けられていたが2008年をもって販売終了となった。
NSR50は大きく分けて5種類に分類できる。