バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ・アーゲー〈バイエルン発動機製造株式会社〉(Bayerische Motoren Werke AG 、通称:BMW)は、ドイツのバイエルン州ミュンヘンを拠点とする自動二輪車および四輪自動車メーカーである。
本社ビルはエンジンのシリンダーを模した円筒形を4つ組み合わせたような形をしており、フィーア・ツュリンダー(Vier Zylinder )、英語でフォー・シリンダー(Four Cylinders )と呼ばれる。傘下のカー・ブランドは、イギリスのロールス・ロイスとミニの2つがある。
株式の約47%がスザンネ・クラッテン、シュテファン・クヴァントら、ドイツ・クヴァント家により所有される同族会社である。
BMWはドイツ語では「ベー・エム・ヴェー」(ビー・エム・ヴィー)である。日本では特に1981年の日本法人創設以来、英語読みの「ビー・エム・ダブリュー」が一般的になってきているが、親しみをこめてドイツ語読みの「ベンヴェ」という読み方をする人たちも多い。日本ではBMW二輪がモトラッドと表記されているが、ドイツ語ではモトラートである。モトラッドがMotorradの英語読みから来ているのか、バイエルンなまりがそう聞こえたからなのかについては議論がある。
全体的にスポーティーな車が特徴である。BMWブランドの乗用車の駆動方式は、いずれもFRもしくは、それをベースとした四輪駆動(通称xDrive)であり、現在までFFの市販車はない。ただし、FFの研究開発そのものは行われており、その技術はローバー・75、およびミニに生かされている。
また、エンジンについても直列にこだわりと共に、ハンドリングにもこだわりがあり、バッテリーをトランクルームに配置するなどの努力をし、前後加重を50:50にしている。
デザインとしては、丸形四灯式(そもそもは二灯式+補助灯)のヘッドランプとキドニーグリル(kidney = 腎臓)と呼ばれる独特の形状をしたグリルをもつフロントマスクが特徴である。キドニーグリルは、1933年に発表されたBMW初のオリジナル車「BMW303」から採用され、イソのライセンス生産である「イセッタ」、およびその派生車である「600」、同じく空冷フラットツイン リアエンジンを搭載した「BMW・700」、BMW325(1937-1940年)を除いた全てのモデルに使われている。
1992年から2009年まで、デザイン部門のチーフはアメリカ人デザイナー・クリス・バングルであった。
初代X5シリーズ以降に発売された全ての新型車のエクステリアデザインを担当していた。フォーマルサルーンである7シリーズ の新型車のデザインがあまりにも奇抜であったため、「バングルは、BMWを潰すためにメルセデスが送り込んだ刺客だ」などといった、保守的なデザインを好むユーザーから、多くの批判が寄せられた(もっとも実際にBMWのデザインを行っているのがクリス・バングル1人というわけではなく、例えば現行の3シリーズであるE90のエクステリア・デザインは、永島譲二の手によるものである。現在のBMWのデザインの方向性を定めていたのがクリス・バングルであるといえよう)。
結果的に、先進的なデザインは他メーカーに大きな影響を与え、BMW車の販売台数に寄与したことから、そのデザイン的な評価が高まっている。2009年のクリス・バングル退任後は、アドリアン・ファン・ホーイドンクが後任となっている。
過去の製品はメルセデスと比較した場合、新機軸や電気仕掛けを好み、それがトラブルの基となりやすいこと、部品の交換周期がやや短いことなどの傾向があった。
しかし、2002年位からデビューした車は日本人が開発の一翼を担っていると言うこともあり改善が見られるが、これはフェラーリなど欧州車全般に見られる流れである。