ハイエース(HIACE)はトヨタ自動車で生産されているキャブオーバー型の自動車(ワンボックスカー)。
初代モデルは1967年に登場した。かつてはショートホイールベース(標準ボディ)やトラックもラインナップされていたが、現在は消滅し、ロングとスーパーロングのワゴン、ライトバン、コミューター(マイクロバス)のみとなっている。日産・キャラバンが最大の競合車種。
価格はやや高いが耐久性の高さや、エンジンパワー、積載量が多いことなどで、宅配業をはじめ多くの企業に貨物車、社用車として広く用いられる他に、送迎バスやジャンボタクシーといった乗用、さらには救急車、寝台車などの特殊用途車などとしても利用されている。
個人ユースでは趣味の道具:競技用オートバイ(ロードレーサー・モトクロッサー)やラジコン飛行機などを輸送するトランスポーター(通称:トランポ)としてよく使われているほか、バニングやキャンピングカーのベース車としても重宝されている。そのため、中古車店の中には「ハイエースの専門店」も存在する。耐久性が高いことから新興国や途上国での人気は特に高い。損害保険協会による保険金支払い事案を対象にした調査結果では、ハイエースは2007年から3年連続で自動車盗難のトップとなっている。
昭和42年(1967年)より生産されているトヨタのキャブオーバーワンボックスモデル。モデルサイクルが長いのも特徴で現在は5代目になる。室内空間はすなわち積載空間と言えるぐらいの広大なスペースを持ち、ワゴン登録の自家用モデルからバン登録の商用モデルまで多くの派生モデルを持つ。先代のH100系まで生産され多くのファンを持つスーパーカスタムリミテッドは同社の高級ミニバンとバッティングする商品のため統合され現在は販売されていない。
趣味の多様化の影響もありアウトドアギアやモトクロス・自転車やカヌーなどを室内に無理なく積載可能なハイエースの需要が高い。商用ベースのバンモデルを自分の好みにカスタマイズして自家用車として乗るユーザーも多く、その耐久性とカスタマイズ自由度の高い室内が人気となっている。もちろんベースは商用モデルのため上記用途とは別に耐久性、減価償却などを含めても他車種より割り高なハイエースを選ぶ法人も多く、働く車の王道として現在も君臨している。