日本向けモデルでは、MR2の名称をW10型とW20型迄で、W30は別名称のMR-Sを用いている。日本国外向けモデルでは、W10型~W30型まですべてMR2で統一されている。MR2の名称の由来は、MR(ミッドシップ・ラナバウト=小型ミッドシップカー)2シーターからきている。本稿においては、日本向けモデルを対象の説明する。
1983年の東京モーターショーで発表された試作車SV-3をもとに、リアスポイラーの形状変更、デジタルメーター、Tバールーフの非装備など若干の仕様変更の後、1984年6月に日本車初のミッドシップエンジン型市販車として販売された。製造はセントラル自動車。1984年度の日本カーオブザイヤー受賞車である。
安価で量産性を高めるため、足回りとエンジン、ミッションは既存の前輪駆動車(E80型カローラ)を流用し生産された。同様な成り立ちのイタリア・フィアット社のX1/9やアメリカ・ゼネラルモーターズ社のポンティアック・フィエロを参考にしたとの話や、開発時期が英国ロータス社と技術提携していたことから、一部ではロータス社が設計した車両をトヨタが再設計してコストダウンしたものとの説もあった(ただしロータスの関与についての確認はヨーロッパでの実走テストにテストドライバーが参加したことのみ)。
1986年にはマイナーチェンジを行い、スーパーチャージャーやTバールーフの装備車が設定された。AW型おいては全グレードにパワーステアリングの設定はなかった。
生産終了から20年ほどまでは中古車相場で取引されることが多くあり、トヨタからの部品供給も(加工や流用などで対応できる部品を除いて)問題なく行われていたが、20年を超えるころから部品の廃番が多くなり、中古部品市場が値上がりする状況へと繋がっている。
なお、AW1#系で採用されたエンブレムは七宝焼きで、AWの文字を模した鳥(猛禽類)が描かれている。