アウディ(ドイツ語:Audi)は、ドイツの自動車メーカーである。1964年以降フォルクスワーゲングループに属している。
現在株式の99%をフォルクスワーゲンAGが保有している。本社所在地はドイツ・バイエルン州、インゴルシュタット。ドイツ国内には、インゴルシュタットの他、ネッカーズウルムに工場がある。
同グループでは、主に中~上級価格帯をカバーするブランドと位置づけられている。「クワトロ」(Quattro )という名称の四輪駆動システムを持ち、アルミボディなど先進的な技術を用いる傾向がみられる。ディーゼルエンジン(TDI)を、環境対策上のガソリンエンジン車の代替と位置づけており、重点的に開発・宣伝を行なっている。車種構成はFF車とFFベースの四輪駆動車がほとんどである。
従来車体デザインがおとなしいと評されていたが、最近は若者層をメインターゲットとし、デザイン的にもBMW、ベンツに引けを取らないよう押しの強いデザインを取り入れ、フロントマスクが睨み付ける様なデザインのモデルも増えてきた。
現在のアウディ車に使われている「フォーシルバーリングス」と呼ばれる4つの輪を組み合わせたエンブレムは、かつてのアウトウニオンのエンブレムに手を加えたもので、で、アウトウニオン設立に参加した4社の団結を象徴するものである。なお、左から順にアウディ、DKW、ホルヒ、ヴァンダラーを指すものとされる。
なお、アウトウニオン設立以前のアウディのエンブレムはアルノ・ドレッシャー(de:Arno Drescher)のデザインになるもので、”audi”と書かれた逆三角形の上に半球が乗り、更にその上にアラビア数字の「1」が乗るといったものであった。
創業者はアウグスト・ホルヒ(August Horch 、1868-1951年)。自動車史の黎明期にベンツで工場長を務めた後に独立、ホルヒを設立し、1901年から自動車生産を開始、当時としては高性能・高品質の自動車を送り出して名声を得る。
しかしアウグスト・ホルヒは、良質の車を作ることに拘って経営面への配慮を欠くきらいがあり、1909年には経営陣から追放を受けた。速やかに自力で別のホルヒを設立、自動車生産を開始したが、元のホルヒの抗議によって、同一社名・車名を使うことを差し止められる。
この結果、アウグスト・ホルヒは1910年に自社の社名・車名を「ホルヒ」から「アウディ」に変更。アウディとはラテン語で「聞く」という意味でオーディオの語源であり、ホルヒのドイツ語での意味と同義である。
アウディは2612cc(2.6L)4気筒のモデルからスタートし、3564cc(3.6L)、4680cc(4.7L)、5720cc(5.7L)となっていく。
これらは人気を得、スポーツイベントでも活躍した。アウグスト・ホルヒは1920年にアウディを去った。初の6気筒モデルは1924年の4655cc(4.7L)だった。
1928年、アウディはDKWのオーナーだったイェルゲン・スカフテ・ラスムッセンに買収される。同年、ラスムッセンは米国リッケンバッカー自動車の生産設備を購入、この設備は1929年から生産された高級モデル、ツヴィッカウ(Audi Zwickau )とドレスデン(Audi Dresden )で使われ、またこれらにはリッケンバッカーのエンジンを搭載した。他にプジョーからライセンスした4気筒エンジンを搭載したモデルも生産された。この時期のアウディ車は特殊なボディワークがなされた高級車だった。