ジャガー(Jaguar Cars Ltd )は、イギリス発祥の高級自動車ブランドである。現在はランドローバーとともに、インドのタタ・モーターズ傘下のジャガーランドローバーの一部となっている。
ウイリアム・ライオンズ(1901年 – 1985年、後に爵位を授与されサー・ウィリアム・ライオンズとなる)と、ライオンズの10歳年上の友人であるウィリアム・ウォームズレーにより「スワロー・サイドカー・カンパニー」が1922年に設立される。
会社は社名の通りサイドカーの製造で事業を拡大し、1926年には工場を移転して自動車のボディ修理も手がける。ここから自動車のボディ製造(コーチワーク)を手がけるようになり、自動車メーカーへの転身を図ることになる。その上で、まずは自動車全体を一から作るのではなく、コーチビルダーとしてボディ(車体)を手がけることから高級車メーカーへの道を目指した。
第二次世界大戦後の1945年に、敵国であったナチスドイツの組織である親衛隊を連想させることから、社名の「SS」を「ジャガーカーズ・リミテッド」に変更した。その後1948年に発表されたXK120はその流麗なスタイリングと高性能、また同程度の性能を持つアストンマーチンやベントレーと比べて圧倒的に安価だったことから大人気となり、高級車ブランドとしてのイメージを決定付ける重要なモデルとなった。
さらに1950年代には、自動車史上初めての4輪ディスクブレーキを備えたCタイプとDタイプを投入しフェラーリやメルセデスベンツ、ポルシェなどのライバルを圧倒。ル・マン24時間レースで5回の優勝を飾るなど、モータースポーツで大活躍し名声を確固たるものにしていった。
さらに、1950年代に投入されたEタイプや、スモールサルーンであるマーク2(Mk2)などの人気により、世界最大の自動車市場であるアメリカ合衆国での販売で成功を収めたことや、1960年に高級車メーカーのデイムラーを買収したことで企業体制も磐石なものになった。